社会学の観点からマクロの文学を考察する――危機管理者としての作家について
摘要
1はじめに本論は、小説のデータベースを作成しながら、作家の執筆脳を集団の脳の活動として広義に説明するために、社会のあらゆる側面を考察の対象にする社会学の観点に基づいたマクロの文学分析を試みる。これまでは作家の執筆脳としてシナジーメタファーを作家毎に狭義で研究してきた。今回は集団を意識して、作家としての人間の条件にリスクの警鐘を鳴らす危機管理者というエキスパートとしての資質を設け、社会とリスクという観点に立ち、シナジーのメタファーから集団の脳の活動について考察していく。