摘要
本稿では、国から地方への公共投資の配分がいかなる要因で行われてきたかについて分析する。とりわけ、与党政治力の影響に注目し、2000年代に利益誘導政治がなされてきたか否かを検証する。2001年から2011年までを対象として、2009年の政権交代前後に各都道府県の公共投資の配分にどのような変化が起こったかを、pooled-OLSと固定効果モデルでそれぞれ分析した。実証分析の結果、政権交代前は自民党および民主党に関する要因が公共投資配分に有意に正の影響を与えていたが、政権交代後は民主党に関する要因のみが影響を与えるようになったことが示された。