摘要
「杜子春」は芥川龍之介が1920年7月に、鈴木三重吉主宰の童話童謡雑誌『赤い鳥』に発表したもので、1921年作者の第五短篇小説集『夜来の花』(新潮社)に収録された作品である。芥川生前には『芋粥他六篇』(春陽堂1922)、『沙羅の花』(改造社1922)、『芥川龍之介集』(新潮社1925)に、そして生前に計画され、没後に刊行された芥川唯一の童話集?三つの宝?(改造社1928)にも収録されている。たびたび作品集に収録されることから、?杜子春?は作家自身のかなり気に入った作品の一つであることが分かる。